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光の世界へ
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意味もなく傷付けられ、失われて行った生命達。
進化・・・。
傷付けあい、殺し合い。
弱肉強食の果てに、俺達は一体何を見るというのだろう?
俺達は何の為に生まれ、何の為に生き、何の為に死ぬのだろう?
光・・・と言う名の、1つの「卵」と、
そこに群がる無数の生命と言う名の「種子」。
その無数の種子の中の1つと、
光が結ばれた時。新たな輝きが生まれる。
そこに至るまでの、何十億と言う歳月と、
無数の、生まれ、死んでいった生命。
それは全て、その一瞬の為だけにあった。
全ての命が奏でる音色が、更なる美しさを増す為だけに。
なら、多くの命は、光と結ばれるたった1つの生命の為だけに生まれ・・・
そして死んでいくと言うのだろうか。
遺伝、環境と言った自分に与えられた限られた条件の元で
ベストを尽くし、自分の生をまっとうしようとする生命は、
新たな光に連なる黄金の鎖の輪の1つ。
『どれかひとつ欠けても、「未来」はない。
この世に、無駄な生命、捨石の生命なんてありえない。』
皆と過ごしたのは短い間だったけれど、俺は・・・この数日間で
そう、教えられた気がした。
森羅万象、あらゆる生命が光と結ばれるチャンスを持っている。
「いのち」の夢を見ながら、そのチャンスを待っている。
そして、その全てさえもが、生まれる前の輝きが見ているひとつの夢に過ぎないのだと
言うことをいずれ俺達は知るのだろう。
別れの時が来た。
1つの戦いが終り、そしてまた新たな戦いが始まる。
その道は、決して交差する事はなく、互いに別々の方向を歩んで行く事になる。
確かに俺達は、この世界の全てを救う事も、
悲しみを癒すことも出来はしないだろう。それでも・・・
俺は、本当に、皆に逢えてよかった。
旅立つ俺を、笑顔で見送ってくれた大切な「仲間達」。
もう2度と出逢う事はないかも知れないけれど、
俺は忘れない。
皆がくれた、誰かを大切に思う・・・、何より強い勇気の力を。
皆が指し示してくれた、光の世界への道標を。
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